「注目・企業/雇用」「個」からまちを変えていく”まちライブラリー”

「注目・企業/雇用」本を通じて人が出合う「まちライブラリー」が全国各地で広がっています。
提唱者は礒井純充氏ですが、礒井氏は社会人教育機関「アーク都市塾」の創設に携わった方です。
その後、産学連携の会員制図書館「六本木アカデミーヒルズ」を立ち上げ運営を行いましたが、当時は会費1万円で会員数は3,000人。
どんどん敷居が高くなり規模は大きくなるものの、人間同士のつながりは薄れていったとおっしゃっています。

■「まちライブラリー」構想のきっかけ

そんな頃に礒井氏は2010年、当時26歳だった友廣裕一氏に出合います。全国各地の限界集落80ヶ所を巡り、その地に住む人々の話に真摯に耳を傾ける友廣氏の姿に衝撃を受けたそうです。
人と関わる際に、どうやって自分の話を伝えようか考えるのではなく、自分が相手の話をどこまで聞けるか。目の前にいる一人のために、自分に何ができるかだけを考える友廣氏に礒井氏は「すっかり参りました。それで、自分の半分くらいの歳の彼を師匠と決めたのです」と語ります。どんなに人脈を広げても、いざという時には人が去っていく・・・
礒井氏は効率や利害ばかりを考えていたことが壁になっていたのではないかと考えるようになりました。
そのような中で「人と人とをつなぐ場」としての「まちライブラリー構想」が誕生したそうです。

■人は「個」にひきつけられて集まる

「まちライブラリー」は今や全国各地350ヶ所に広がっており、誰でも開くことができ、場所も選ばず、資源は本のみ。開設のハードルが低いことも広がった理由の一つだそうです。しかしながら、大きな要因はなによりも、本を通して人との出会いを期待する人が増えていることだそうです。長らくビジネス界にいた礒井氏はビジネスモデルを優先させることにこだわり「人」をないがしろにしてきたのではないかという思いがあり、そのため「まちライブラリー」は仕組みや仕掛けを作らないことにしたそうです。出店者自身が自分のやり方を追求していくことで磁力が生まれ、人が集まる。これが全国350ヶ所に広まった理由です。

■「まちライブラリー」の目指すもの

1人でも何かできないかと考える人を1人でも多く見つけることが「まちライブラリー」の役割だと礒井氏は語ります。
数でもなく、質でもなく、大切なのは1人の思いを追求すること。1つの「まちライブラリー」から影響を受けた人が周りの人にも影響を与えていく。成功させるよりも多くの「1人」を発掘することがまちライブラリーの目指すところだそうです。

人と人とのつながりは数字やテクノロジーでは図れないところがありますね。
石巻市でも一年に一度、「一箱古本市」が開催されていますが、出店者の「個性」が際立っていて眺めているだけでも大変楽しいイベントです。おすすめの本をたずねたり、どこに感動したか教えてもらうなど、読んだ人に感想を聞いてから古本を購入して読むと楽しさが一段と違ったりします(^^)
「まちライブラリー」が注目されている理由も沢山の人が、人間同士の温もりが通った意思疎通に安心感を求めている結果かもしれません。

詳しくは 月刊 事業構想  まちライブラリー 本で人をつなぐ「小さな図書館」まちの変化は「個」から始まる(一部抜粋です)