「注目・企業/雇用」カルビー/松本晃会長 私が女性事業本部長に「4時に帰れ」と命令した理由

9f6cb09986ad0ce18f9a44410eb87a22_s「注目・企業/雇用」カルビーの松本会長はマネジメント層の女性管理職登用の比率を高め、ダイバーシティ化を実践するなど、「働き方」の改革に注力してきた方です。今回はカルビーで行われている改革について注目します。

「飛行機が片翼で飛びますか?」今の日本企業のマネジメント層について飛行機を例に挙げ、「日本人・男性・シニア・有名大学出身。マネジメント層が偏っていて企業が成長するわけがない。」とカルビーの松本会長は語ります。

松本会長がカルビーのCEOに就任したのは2009年。フリーアドレスなどを取り入れたオフィスや人事評価の見える化など「働き方」改革も進める松本晃の根底にあるのは、徹底した「成果主義」です。女性管理職登用にクオーター制度(人員構成に性別・人種などで片寄りが生じないようにする制度)を導入することに賛成の立場を取られていますが、その背景も成果主義に基づくものです。「私はとにかくデジタル人間。数字がないと体が動かない。カルビーでは今、10・20(テン・トゥエンティ)と言っている。毎年売り上げを10%伸ばせ、利益を20%伸ばせ、と。就任して7年間の数字の結果は、ほぼ伴っている。」売上はもちろんですが、ダイバーシティ化に関しても「20年までに女性管理職比率を30%一番乗り」を目標に掲げています。

■なぜダイバーシティを導入したのか?

ジョンソン・エンド・ジョンソンの社長をしていた01年、直属の上司だったビル・ディアスタインさんから「日本はなぜダイバーシティをしないんだ?」と聞かれたことがきっかけでした。
「いわれてみればその通りだな。」世の中の半分は女性なのにマネジメント層は男性ばかり。
優秀な人は男女問わず優秀。これでは片翼で飛行しているようなもの。企業が成長できるわけがない。と視点を変え、さっそく上級管理職に女性を置いたそうです。

■女性を管理職に置く場合の男性とのちょっとした違い

女性が管理職になりたがらないという声について。
「それは言い訳だ。僕がオファーした人で断った人は一人もいない。見合った昇給を提示しているから。しかし、男性と女性ではちょっとした違いがある。女性はよりプラグマティック(実利的)。女性はレスポンシビリティ(責任)とコンペンセーション(報酬)のバランスが合わなければやらない。現状では、家事・育児に関して女性がハンディを背負っているのは事実。それに対処するのは、マネジメント側の責任だと思っている。」と松本会長は語ります。

■「4時に帰れ」事業部長になった女性に指示した理由

会社にベンチマーク(指標)を作れば変わる。現役執行役員で中日本事業本部のトップは福山知子さんという女性です。スナック事業でカルビーに次ぐ2番手は湖池屋ですが、中日本事業本部の売り上げは湖池屋の1.3倍はあります。そこに当時小学4年生と1年生になる子供がいる福山さんが就任したそうです。松本会長は福山さんにこのような指示を下しました。「私はあなたに命令する。この命令が聞けないなら、会社をやめるか、職を辞退するかどちらか。何でもいいから4時に帰りなさい」福山さんは今もその指示を忠実に守っていますが何の問題も起きていないそうです。ダイバーシティは並行して働き方改革を行う必要があります。改革を行った当初は「とにかく早く帰れ」福山さんには「4時に帰れ」しばらくしてから「2時に帰れ」。流石に2時に帰る社員はいないそうですが、今は会社に来なくても働けるツールが揃っているので「会社なんか来るな」とも言っているそうです。

ビジネスの世界は政治の世界と違い「コミットメント&アカウンタビリティー」(約束と結果責任)。約束したら結果を出さなければなりません。経営哲学でもなんでもなく、基本的なこと。稼がないと設備投資も新商品の開発も社員の給料も税金も払えません。結果を出すためのイニシアチブを1つずつ行っているだけで、ダイバーシティもその1つだとのことです。

徹底した成果主義から始まったカルビーのダイバーシティ。実利的な女性の特性をよくとらえて、経営に活かした松本会長の柔軟な方針に感動しました。女性でも家事や育児と仕事の両立が行える働き方が大手企業を中心に普及してきていますが、裏を返すと、これからは男性と同じようなビジネス視点が女性にも求められてきているとも考えられます。数字や論理的な思考を身に付けることによって、女性でもさらに活躍できるチャンスがつかめるという希望が持てますね!

詳しくは yahoo!japanニュース:私が女性事業本部長に「4時に帰れ」と命令した理由/カルビー 松本晃会長